今回の『林修の今知りたいでしょ!』は睡眠学者の柳沢正史(やなぎさわまさし)先生!
これまでも何回かこの「今知りたいでしょ!」に出演されている柳沢正史先生。
MCの林修さんも、
「睡眠について、以前柳沢正史先生に伺ったことを、こうやって定期的に確認する機会があるのはいいこと」
と大歓迎の様子。
柳沢正史先生は、睡眠に関わる重要な物質「オレキシン」を発見し、今もっとも『ノーベル賞』に近い日本人と言われています。
今日はこのノーベル賞級の発見をした睡眠学者・柳沢正史先生の経歴と、睡眠に関するおすすめ著書などについて皆さんと一緒に調べていきたいと思います。
良かったら最後までお付き合いくださいね!
睡眠学者・柳沢正史の経歴
- 出身: 東京都練馬区
- 生年月日: 1960年5月25日
- 星座: 双子座
- 出身高校: 私立武蔵中学・高校
- 出身大学: 筑波大学大学院医学研究科博士課程終了
- 専攻: 睡眠医科学・医学博士
- 研究期間: 筑波大学・京都大学・テキサス大学
- 主要功績: エンドセリンの発見(博士論文)・オレキシンの発見(ノーベル賞級)
柳沢正史先生は、幼少期より将来研究者になりたいと言っていたそうです。
その当時から柳沢正史少年は観察が好きで、近所の小川に行っては、水の流れ、渦の様子などを1時間ぐらいじっと観察していたということです。
研究はまず観察から、ですからね。すばらしい。
柳沢正史少年、中学・高校は、完全中高一貫(高校から受験では入れない)の超難関私立武蔵中学・高校に入学という、小学校から優秀だったんですね。
武蔵中学の偏差値は64とも74とも言われています(汗)
柳沢正史少年のお父さんが臨床医で電気生理学の研究をしていたということで、これからは分子生物学が面白い、医学部で学べるぞと教えられ、1979年に筑波大学の医学部に入学したそうです。
「医学部がいいぞ」と言われてすんなり入れるところが、さすが武蔵高校!という感じですよね!
柳沢正史先生は医学部卒業時、「今日の患者ではなく、明後日の患者を治したい」と考えたそうで、研究者としての道を選択したそうです。
「明後日の患者」という表現で将来役にたつ分野を志すという意思を示すあたりがまた、地頭が良さそうですよね!
柳沢正史先生の筑波大学大学院修了時の博士論文は「エンドセリンの発見」です。
エンドセリンとは、血管内皮細胞から分泌されるホルモンの一種で、強力な血管収縮作用を持つ物質だそうです。
このエンドセリンは、血管を収縮させることで、血圧の上昇、血流の調節などを行なっており、血圧の調整などに欠かせない物質だということです。
このエンドセリンが発見されたことで、これらの生理現象の解明や、関連疾患に関する治療薬の開発が活発に行われているということです。
すごいですね!博士論文で製薬会社の世界が動き出すなんてなかなか無いんじゃないでしょうか?
その後柳沢正史先生は筑波大学基礎医学系講師、また京都大学医学部講師と相次いで就任、
またテキサス大学医学部からスカウトされ、テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター准教授及びハワード・ヒューズ医学研究所准研究員に就任という、凄まじい経歴です。
その時に柳沢正史先生はダラスに移住したそうですが、
アメリカ合衆国の国籍(市民権・グリーンカード)までも取得しているというのですから、アメリカ政府にまでその功績が認められているということなんでしょうね!
睡眠学者・柳沢正史のノーベル賞級の発見・オレキシンとは?
柳沢正史先生は1998年、テキサス大学の柳沢研究室に留学していた筑波大出身の櫻井武(さくらいたけし)先生とともに、新規神経伝達物質であるオレキシンというものを発見します。
柳沢正史先生はそのオレキシンが視床下部外側野にのみ存在し、オレキシンの急性中枢投与で摂食行動が促進されること、絶食後にはオレキシン産生が増加することなどを突き止めました。
「オレキシン」は「食欲」を意味するギリシャ語「orexis」に由来しているそうです。
ここまでの話では、「オレキシン」は食欲方面に関連する神経伝達物質なんだなぁ、と理解できますが、これがどうして睡眠と関係するのか『??』ですよね?
柳沢正史先生は、マウスのオレキシン遺伝子を欠損させても食欲減退や体重減少は見られないことに気が付きます。
オレキシンが摂食行動を促すなら、オレキシンを欠損させれば食欲は減退すると予想しますよね?ところがそうならない。なぜか?
柳沢正史先生は長期の奮闘の末、マウスが夜行性であることから夜間の行動を赤外線カメラで観察してみようと思いつきます。
その結果、活動していたマウスが突然動かなくなるという現象に気づき、これがヒトの睡眠障害ナルコレプシーの症状と酷似している事を突き止めます。
ナルコレプシー:日中などに突然パタっと眠りに落ちてしまう睡眠障害。
柳沢正史先生はこの現象を突き詰めるこどで、オレキシンが睡眠覚醒を制御しているという発見に辿り着いたということなんですね!
その後、1998年にスタンフォード大学の研究チームが、独立して同物質を発見、2000年には、ヒトのナルコレプシーもオレキシンの欠乏によって起こることを報告したということです。
異なるチームの研究で、オレキシンが睡眠覚醒を制御しているというダブルチェックができたということなんではないでしょうか。
2017年、柳沢正史先生はオレキシン受容体作動薬YNT-185を創出し、マウスでナルコレプシーの病因治療薬として有効であることを示したということです。
柳沢正史先生は最初から「睡眠学者」を目指していたわけでは無かったのですね!
ご自身の興味のあるもの、夢中になるものに取り組んでいった結果、ノーベル賞級の発見に辿り着いてしまったということなんでしょう。
柳沢正史戦士は2023年に「クラリベイト引用栄誉賞」という賞を受賞しています。
この賞は、論文の被引用数や研究への貢献度、他の賞の受賞歴などを考慮して選ばれるものなんだそうです。
つまり柳沢正史先生の論文が、他者の論文にたくさん引用され、また他者の研究に貢献し、その研究が何かの賞を受賞した実績などが評価されたというお墨付きをもらった感じですね。
この賞を受賞した研究者の多くが後にノーベル賞を受賞しているため、「ノーベル賞に最も近い学術賞」とも呼ばれているそうです。
すごいですね!次のノーベル賞の発表が待ち遠しいです!
睡眠学者・柳沢正史の睡眠に関するおすすめ著書
柳沢正史先生による、睡眠に関するおすすめの著書を、「読書メーター」から以下で3冊ほど紹介します。
どれも200ページそこそこなので、気張らずサクッと読めると思います。
今さら聞けない 睡眠の超基本
- 概要:睡眠不足からくるパフォーマンス低下やメンタル疲労……etc.その悪影響は想像以上です。睡眠の不思議から、睡眠負債を解消する方法、ぐっすり眠るための環境の整え方まで、睡眠研究の第一人者による最新の睡眠科学がわかる一冊。
- 値段:1,502円(税込)電子書籍
- 配信開始日:2024年8月20日
- ページ数:243ページ
ニュートン式 超図解 最強に面白い睡眠!!
- 概要:本書は,睡眠の基本やぐっすり眠るコツなどについて楽しく学べる,睡眠にまつわる“最強”に面白い話題が満載の1冊です。本書を読むことで,眠りのしくみがスッキリわかり,快適な睡眠を得ることができるようになるでしょう。
- 値段:990円(税込)新書
- 発行:2023年8月8日
- ページ数:200ページ
別冊 睡眠のサイエンス(Newton別冊)
- 概要:本書では,睡眠研究の第一人者である柳沢正史教授監修のもと,睡眠とは何か,眠っているあいだに体の中で何がおこっているのかについて,わかりやすく紹介しています。また,睡眠負債が引きおこす様々な健康リスクや,現代人が悩まされている睡眠障害など,睡眠と健康の密接な関係についても取り上げました。
- 値段:1,980円(税込)ムック本
- 発行:2025年1月21日
- ページ数:176ページ
良質睡眠の助けになると良いですね!
僕も早速読んでみようと思います。
睡眠学者・柳沢正史まとめ
というわけで、睡眠学者・柳沢正史先生、いかがだったでしょうか?
林修さんも生徒となってたくさんの学びがあったのではないでしょうか。
- 睡眠学者・柳沢正史の経歴:私立武蔵中学・高校から筑波大医学部へ。博士論文から創薬に役立ち、テキサス大学で睡眠学者のきっかけとなるオレキシンを発見という素晴らしい経歴です。
- 睡眠学者・柳沢正史のノーベル賞級の発見:オレキシンの論文はノーベル賞に最も近い研究として「クラリベイト引用栄誉賞」(2023年)を受賞しています。今後が楽しみですね!
- 睡眠学者・柳沢正史の睡眠に関するおすすめ著書:読み易そうと思われる3冊を紹介しました。良質睡眠を目指して、読んでみましょう!
柳沢正史先生、もともとが優秀という事は重々承知ですが(笑)、やはり名を残すようなお方というのは縁というか、運命というか、何かに導かれるものなのかなぁ…と思いますね。
そんな人生を僕も送ってみたいものです。
柳沢正史先生のこれからのご活躍を陰ながら願いつつ、応援していきます!
今日もありがとうございました。
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