
2025年12月5日に公開されるアニメ映画『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(試写会や先行上映も行われました)。
このアニメ映画の主人公の声として声優を務めたのは、俳優の板垣李光人(いたがきりひと)くん。
2022年に「かがみの孤城」のスバル役に抜擢されて以来、板垣李光人くんが声優を務めるのはこれが2回目になります。
というわけで今日は、板垣李光人くんの最新アニメ映画『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』のあらすじ、ネタバレレビュー、この映画を観る理由、などなど、ちょっと見ていきたいと思います!
良かったら最後までお付き合いくださいね!
『ペリリュー』のあらすじと板垣李光人の役どころ
『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』は、1944年、太平洋戦争末期の南国の島「ペリリュー島」を舞台にした物語です。
主人公は漫画家志望の日本兵、田丸均(たまるひとし)。
彼は「亡くなった仲間の最期の勇姿を遺族へ伝える」という任務、“功績係”を命じられます。
つまり、戦場での死や残酷な現実を、時には“美談”として遺族に届けるという過酷な役目。
生き残り、潜伏し、帰還する兵士は1万人中わずか34人だった――そんな苛烈な状況を見つめる物語です。
そして、この物語をアニメで描いたことで、絵柄の柔らかさと戦争の過酷さというギャップを、より強く際立たせることになりました。
可愛らしいキャラクターと激しい戦闘、飢え、病、恐怖……その衝突が、観る者に“戦争のリアル”と“人間の尊さ”の両方を伝えます。

板垣李光人:ModelPressより
主演・田丸役に声をあてたのが板垣李光人くん。
板垣李光人くんは原作を読んだとき、三頭身の絵柄の印象とは裏腹に描かれる戦争の描写の重さに衝撃を受け、「この作品と役を背負う」という覚悟を持ったと語っています。
この映画は、ただの戦争アニメではありません。
命の重さ、生きる意味、そして“記憶”を伝えるという使命を持った作品です。
そして今――公開後、多くの観客たちがその“重さ”と“余韻”を抱えて映画館を後にしています。
板垣李光人の『ペリリュー』公開後のネタバレレビュー
公開直後から、感想やレビューが出始めています。そのいくつかをご紹介したいと思います。
Filmarks によると、ある観客はこう書いています。
「想像以上に壮絶で、あまりに理不尽に命が失われていくことに無力感とやるせなさが込み上げてきました。とても怖かったけれど、その怖さを大切にしてほしいと板垣くんがおっしゃっていた通り、観た人が怖さを持ち帰ることが私たちの未来のために必要だと感じました。」
この方は、“怖さ”や“痛み”をただ体験するだけで終わらず、それを受け止めることに意味を見出しています。
また別の感想には、こんな言葉も。
「蟻の行列のようにただ前へ進む兵士たち/『飛んで帰れたら』と願うすぐそばで、何事もないかのように舞う蝶や鳥。ふわりと浮かぶシャボン玉は――兵士たちが手放してきた“しあわせ”の象徴で胸が締め付けられる」
戦場の残酷さと、“普通の命”“日常”の象徴が並列で描かれることで、観ている側の心がぎゅっと締めつけられるような感覚――この映画の持つ力を感じさせる言葉です。
さらにあるレビューでは、作品の意義についても触れています。
「アニメという表現だからこそ描ける過酷な現場、“現実”をむき出しに見せることで、戦争を経験しなかった世代にとっての“想像力の拡張”になる」
という指摘です。
こうした声が多い一方で、「とてもつらく、目を背けたくなる描写が多すぎる」という感想も。
その“つらさ”を抱えたまま帰る人たちが多い。そこに、この作品の“重み”と“見る価値”があるように思うんですよね。
声優・板垣李光人の声がもたらしたもの
公開後のレビューのなかでも、特に目立つのが板垣李光人くんの「声」に関する感想。
なかでも多かったのは、「第一声で鳥肌が立った」「静かなシーンでも田丸の心の揺れが伝わってきた」というもの。
戦争アニメ/映画は、作画や音、演出で迫るものも多いですが、この作品では“声=演技”が作品のトーンを大きく左右しているように感じます。
板垣李光人くんの声には、叫びや悲鳴だけではなく、“静けさ”“虚無”“諦め”――その中にある人間の“弱さ”や“葛藤”がちゃんと含まれているように思います。
そしてそれが、“三頭身のデフォルメされたキャラクター”という一見軽やかなビジュアルとのギャップを際立たせ、「この人たちは、実在したかもしれない“若者”なんだ」と観客に思わせる力を持っているのではないでしょうか。
実際、原作者の武田一義さんも、「板垣李光人くんと中村倫也さんの声を聞いたとき、“これしかない”と思った」と言っています。
声と演技が、漫画では静止画だったキャラを一気に“生きた人間”に変えた――その瞬間を感じた、と。

『ペリリュー』で声優を務めた板垣李光人・中村倫也:Oriconニュースより
つまり、板垣李光人くんの“声”は、この作品がただの戦争アニメではなく、「戦争の現実と記憶」「命の重みと人間らしさ」を届ける“架け橋”になっているのだと思います。
板垣李光人の『ペリリュー』を観る理由
僕自身、この映画を通じて思ったのは――
- 戦争のことをよく知らない僕らの世代にも、“知っておくべき事実”として伝えられる力が、この映画にはある。
- アニメであることで、衝撃の描写も“フィクション”というフィルター越しではなく、むしろ“想像力を呼び起こす”きっかけになる。
- そして何より、登場人物たちの“弱さ” “恐怖” “希望”がリアルに感じられる ―― “戦場の記録”ではなく、“人間の記録”として胸に刻まれる作品だ、ということ。
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だからこそ、たとえ鑑賞後につらい、悲しい気持ちになったとしても、それだけの価値があると思うのです。
少なくとも、観たあとに「戦争」「命」「過去と現在」のことを、自分なりに考えるきっかけになると思います。
板垣李光人の『ペリリュー』感想とまとめ
『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』は、小さな島で起きた“忘れられた戦い”を、今に届ける試みです。
戦争から80年――けれど、“記憶”は決して過去のものではない。
今を生きる僕ら一人ひとりが、その重みを受け取るかどうかは、自分次第。
板垣李光人くんの声と演技、そして作品全体のリアリティと美しさが、この映画をただのエンタメではなく、「問いかけ」の作品にしていると思います。
だからこそ、スクリーンで、ぜひ“田丸”の息遣いや恐怖、そして儚さに耳を澄ましてほしいと思います。
観終えたあと――その余韻を大切に、自分のなかにある命や日々の尊さを見つめ直すきっかけになれば、この映画を「観てよかった」と心から思うはずです。
今日もありがとうございました。
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