
元ジャイアンツでMLBボルチモア・オリオールズからFAとなっていた菅野智之(すがの ともゆき)投手が、
コロラド・ロッキーズと1年8億円で契約に至ったと発表がありました。
まずはおめでとうございます!
菅野智之投手のロッキーズでの活躍を期待しています!
コロラド・ロッキーズといえば、その本拠地「クアーズフィールド」が標高1マイル(約1,600m)、空気が薄くホームランが出やすい球場として有名です。
そんな球場で菅野智之投手、大丈夫だろうか?と心配になってしまいますよね?
「クアーズフィールド」と検索してみても、まずは「ホームラン」というワードが目に飛び込んできます。
ですがそれと同時に「ノーヒットノーラン」というワードも出てくるんですよね。
これは何?と思いきや、なんとあの日本のMLB先駆者・野茂英雄元投手が、クアーズフィールドで唯一達成したノーヒットノーランのことだったんです!
「打者天国」と言われるこのクアーズフィールドで、速球とフォークボールが武器だった野茂英雄さんが活躍していた。
これはもしかすると、菅野智之投手がこの球場で活躍するヒントがここに隠されているのでは?と思い、
クアーズフィールドとホームラン・速球とフォークボールの関係について、ちょっと調べてみました。
良かったら最後まで見ていってくださいね!
クアーズフィールドはなぜ「ホームランが出やすい打者有利の球場」なのか

オリオールズ時代の菅野智之投手:Full Countより
MLBコロラド・ロッキーズの本拠地「クアーズフィールド」は、
上述のとおり、標高約1マイルというメジャーリーグでも群を抜いて高地にある球場です。
この“標高1マイル”という条件が、クアーズフィールドを語る上で欠かせない最大の特徴となっています。
これだけ標高が高いと空気が薄く(密度が低く)なり空気抵抗が小さいため、打球が失速しにくくなります。
標高6メートルのボストン・レッドソックスの本拠地、ファンウェイパークと比較すると、ホームラン性のフライボールで約5%の飛距離に違いがあると言われています。
これは例えば、ファンウェイパークで飛距離100mの打球ならクアーズフィールドで105m、120mなら126mになるということです。
その結果、ファンウェイパークなら外野フライで終わる打球が、
クアーズフィールドではそのままスタンドインしてしまう、ということが起こるわけですね。
こうした理由から、クアーズフィールドは長年「ホームランが出やすい=打者有利の球場」として知られてきました。
クアーズフィールドでホームランが量産される理由
またクアーズフィールドでは、単純に「当たれば飛ぶ」だけでなく、
打球の伸びが最後まで落ちにくいという特徴があります。
特に夏場は気温も高く、さらに空気が軽くなるため、ホームランが増えやすい条件がそろいます。
しかも空気抵抗が少ないということは、ピッチャーが投げる変化球も曲がりにくくなります。
変化球というのは、ボールに回転をかけることでボールの周りに圧力差を生じさせ、これを利用してその軌道を変化させるものです。
つまり空気が薄いということは、このボールの周りの圧力差が生まれにくく変化球が曲がりにくい、したがってバッターにとっては投球を打ち易い、ということになるんですね。
実際、MLB全体のデータを見ても、
クアーズフィールドは毎年リーグ屈指の本塁打数を記録する球場として有名です。
この事実だけを見ると、「投手にとっては地獄のような球場」と思われがちです。
空気が薄いと投手は不利?実は速球は有利になる可能性も

2017年WBCでの菅野智之投手:読売新聞オンラインより
上述のように一般的には「空気が薄い=投手不利」というイメージが定着しています。
確かに、打球は飛びやすく、変化球が曲がりにくいとなれば投手にとって厳しい環境ではありますよね。
とは言え、それだけでは無い興味深い点もあるんです。
空気抵抗が少ないと速球は“速く感じる”?
球速そのもの…つまりピッチャーが放った瞬間の球速は、標高によって変わるわけではありません。
投げた瞬間の球の速度自体はピッチャーの腕次第ですよね。
ところが空気抵抗が少ないと、打球が失速しにくいのと同様に、投球されたボールも減速しにくいんですね。
例えば、上述のファンウェイパークだと、ピッチャーが投げた瞬間の初速とホームベース上の終速は約10%低下すると言われているのに対し、クアーズフィールドでは8%程度しか落ちない… という報告があります。
たとえば初速100マイル/時で投げたとすると…
- 【ファンウェイパーク】初速:100マイル/時→終速:90マイル/時 に落ちるのに対して、
- 【クアーズフィールド】初速:100マイル/時→終速:92マイル/時 までしか落ちない=2マイル/時ほど速く感じる
ということになるんですね。
2マイル/時をkm/hに直すと約3.2km/hですから、150km/h後半の投球なら、160km/hに乗るかも!
3.2km/hなんて変わらないじゃん?と思いきや、意外と効きそうな感じがしませんか?
この点に注目してみると、速球派投手にとっては決して悪い条件とは言い切れない気もします。
落ちるボールはどうなる?フォークボールと高地の相性

ジャイアンツ時代の菅野智之投手:PR TIMESより
クアーズフィールドで特に影響を受けるのが、回転数を利用した変化球です。
カーブやスライダーは空気の力(マグナス効果)で曲がるため、
空気が薄い環境では上で書いたとおり、変化しにくいと言われています。
フォークボールは回転を抑える球種
ところが、落ちるボールと言われるフォークボールは性質が少し異なります。
フォークボールは強い回転で(マグナス効果を利用して)曲げるのではなく、
回転しないように投げることで、重力に従って「ストン」と落ちるボールです。
そのため、マグナス効果を利用してその軌道を曲げるカーブなどに比べると、
空気が薄くなっても影響は比較的限定的だと考えられます。
速球と組み合わせることで、落差によるタイミングのズレを生みやすい点もポイントです。
野茂英雄がクアーズフィールドで達成したノーヒットノーランの意味

ドジャース時代の野茂英雄:Full Countより
1996年、野茂英雄さんはクアーズフィールドでノーヒットノーランを達成しました。
これは日本人投手として初の快挙であると同時に、
「打者有利」と言われるこの球場で唯一達成されたノーヒットノーランであると、今なお語り継がれています。
速球とフォークを武器にした投球スタイル
野茂英雄さんは、力強い速球と鋭く落ちるフォークボールを最大の武器としていました。
まさに、クアーズフィールドの環境を考えたときに
「相対的に影響を受けにくい球種構成」だったと言えるかもしれません。
変化球が曲がりにくい高地であっても、
速球の勢いとフォークの縦の変化で打者のタイミングを外す。
この投球スタイルが、歴史的なノーヒットノーランにつながったと考えると非常に興味深いですよね。
まとめ|野茂英雄と菅野智之を重ねて見てみる

菅野智之投手のロッキーズのユニフォーム:デイリースポーツより
クアーズフィールドは確かに「標高1マイル」「ホームランが出やすい」
という理由から打者有利の球場として知られています。
しかし視点を変えると、速球や落ちるボールを軸にした投手にとっては、
必ずしも不利一辺倒ではない環境とも言えます。
野茂英雄さんのノーヒットノーランは、
そんなクアーズフィールドの奥深さを象徴するエピソードだと思います。
菅野智之投手も150km/hを超える速球とスプリット(鋭く落ちるフォークボール)が武器です。
野茂英雄さん同様、これらの球種を磨いていくことで、この打者天国と言われるクアーズフィールドでさらに輝いてくことが可能ではないかと期待と想像を膨らませています。
菅野智之投手のこれからの活躍が楽しみですね!応援しています!
今日もありがとうございました!


コメント