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JAXA H3ロケット分離できずまだ飛んでいる!?落ちてくる?場所はどこ?【速報】

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種子島宇宙センターから打ち上げられるH3 8号機:日本経済新聞より

 

★12/24 追記:H3ロケット第2段と(恐らく結合したままの)「みちびき5号」は、打ち上げから地球を1周回後、南米上空で大気圏に再投入したとみられる、という(米国での)解析結果が発表されました!

 

2025年12月22日(月)午前10時51分にJAXAの種子島宇宙センターから打上げられたH3ロケットは、第2段エンジン(LE-5B-3)の燃焼が計画より早期に停止して、ペイロード(みちびき5号)を所定の軌道に投入でず打ち上げに失敗しました

 

このH3ロケットの第2段エンジン(LE-5B-3)は、ペイロードである衛星を所定の軌道に載せるための燃焼を担うエンジンです。

JAXAの発表によると、この第2段エンジンに燃料を供給するタンクの圧力が下がり、エンジンが十分な燃焼をできなかったと見られているということです(詳細は原因究明中)。

 

そして気になるところでは、この第2段エンジンとペイロード(衛星:いちびき5号)は分離されずにまだ地球周回軌道上を飛んでいる!ということなんですね。

すでに第2段エンジンとJAXAの地上局とは通信を終えていますので、現在、ペイロードを載せたまま、第2段エンジン(LE-5B-3)は未確認の地球周回軌道を飛んでいる、という状態と想像されます。

「え?てことは落ちてくる!?」と思いますよね。

今日はこの辺についてちょっと見ていこうと思います!

 

H3ロケット打ち上げ失敗、何が起きたのか

H3ロケットは2023年の初号機失敗を乗り越え、順調に実績を重ねてきたH3ロケットですが、今回の打ち上げもまた失敗となり、非常に残念な結果となりました。

12月22日午前、打ち上げられたH3ロケットは、第2段エンジンの燃焼が予定どおり行われず、ミッションは失敗と判断されています。

 

H3ロケットは、試験機1号機が失敗(指令破壊)の後、7号機まで5機連続で打ち上げ成功しています(その間1機(6号機)は現在「計画中」というステータスです)。

「く、残念…」と肩を落とした方も多いと思います。宇宙開発は一歩ずつ前進する世界とはいえ、やはり成功を期待してしまいますよね。

 

H3ロケット・第2段エンジンの燃焼停止が決定打

JAXAの発表によると、問題が発生したのは第2段エンジンの燃焼段階です

この燃焼が途中で止まってしまったことで、ロケットは必要な速度に到達できず、予定されていた軌道へ投入することができず、やや低い軌道を飛んでいると推測されます。

 

H3ロケットにとって第2段エンジンは「最後のひと伸び・衛星を所定の軌道に届ける」を担当する重要な存在。

ここでつまずくと、ゴール目前で転んでしまうようなものなんですね。

 

H3ロケット初号機の打ち上げ失敗もこの第2段エンジンでした。その時はこの第2段エンジンが着火しなかったんですね。

その後、JAXAは原因を究明し、H3ロケットは2号機〜7号機まで打ち上げ成功してます。

 

そのH3ロケット初号機(試験機1号機)打上失敗の様子、2号機打ち上げに関する記事はこちらにまとめてありますので、よかったらご覧ください。

 

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みちびき5号は今どこを飛んでいるのか?

今回の打ち上げで搭載されていたのは、準天頂衛星システムの新しい仲間となる「みちびき5号」でした。

気になるのは、「いま、みちびき5号はどこを飛んでいるの?」という点だと思います。

 

JAXAも追跡できていない状況

JAXAによると、第2段エンジンの異常発生後、ロケットの位置情報を継続的に追尾できていないとのことです。

おそらくシーケンス的に、正常に衛星と第2段エンジンが分離できていれば、その後の衛星の追尾(トラッキング)は正常に行われるはずなんですが、

第2段エンジンと正常に分離できたていない(くっついたまま飛んでいる)場合、衛星と地上局との通信が確立できないということなんだろうと思います。

 

このため、ネット上では
「未確認の軌道を飛行しているのでは?」
といった声も見られます。

なんだか映画のワンシーンのようですが、現実はもう少し現実的(そして厳しい)展開が予想されます。

 

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H3ロケットの第2段エンジンとみちびき5号の今後はどうなる?

安定した軌道には乗れていない可能性が高い

第2段エンジンの燃焼が不十分だった場合、ロケットは人工衛星として安定した地球周回軌道に入るための速度に達していないまま飛んでいる可能性が高くなります。

 

見た目は「宇宙に行った」ようでも、実際には速度が足りないために所定の軌道に投入できていない、つまり地球を回り続けることができない状態、というわけです。

 

H3ロケットの第2段エンジンはデブリ化する?

H3ロケットの第2段エンジンと結合したままの衛星は、所定の軌道に乗れていないということは、そのまま巨大なスペースデブリ(宇宙ゴミ)になってしまうのか?

という心配がよぎりますよね…

 

通常、人工衛星は所定の軌道に正常に投入されても、地球の重力場の微妙な歪みや、低軌道では微小な空気抵抗などの影響で、定期的に燃料を噴射するなどして姿勢や軌道を制御しないと、大気圏に再突入してしまいます。

 

ですので、このH3ロケットの第2段エンジンも、現状のまま制御せずに(できないですが)放っておけば、いずれ大気圏に再突入することになりますね。

というわけで、このH3ロケットの第2段エンジンが、そのまま軌道を飛び続けてスペースデブリ化するということは考えにくいです。

 

一つ心配なのは、この第2段エンジンの燃料タンクにはまだ燃料(液体水素/液体酸素)が残っている可能性があるということです。

となるこの燃料タンク内部の水素が何らかの影響で高圧になり、燃料タンクが破裂して第2段エンジンと衛星がバラバラの破片となって宇宙を漂うスペースデブリになってしまうのでは?と思いますよね?

 

これについてはJAXAの会見によると、燃料タンクにはリリーフバルブという、タンク内の圧力が所定の値より大きくなると自動的に内部の燃料を放出する仕組みが備わっているそうです。

放出された燃料は宇宙空間で瞬時に減圧されることで細かい氷の粒となって飛散するため、問題とはなりません(アメリカのスペースXなどの往還機もこの手順で余剰燃料を捨ててから地上に戻ります)。

 

というわけで、このH3ロケットの第2段エンジンと衛星が、スペースデブリ化するということは無さそうだと言えるわけですね。

 

大気圏へ再突入する可能性が高い

となると、このようなケースでは前述のとおり、多くの場合、高度を保てずに(飛び続けられずに)大気圏へ再突入する(落ちてくる)ことになります

早ければ地球を1周する前に、遅くとも数時間から数日以内には高度が下がり、最終的には地上へ落ちてくると考えられています。

「宇宙をさまよい続ける」というよりは、
比較的早い段階でミッションは終了してしまう
という見方が現実的です。

 

ただ、再突入時、機体が全て燃え尽きてしまえば良いのですが、万一燃え残って地上に落下する可能性も無くはないですよね。

 

その場合、海上に落ちれば大きな問題は起きないと考えられますが、陸地に落ちるとなると、「場所はどこ!?」と当然なってしまいます。

そんな事態に備えて、現在NASAなど他国の宇宙期間も協力する形で、このH3ロケット堕2段エンジンの軌道を特定・追尾し、再突入地点、落下予想地点などを予測する活動を展開中です。

 

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今後の焦点は原因究明と再発防止

JAXAはすでに原因究明に着手しており、第2段エンジン周辺のデータ解析が進められています。

ロケット開発では、失敗から得られる情報も非常に重要です。

今回の経験が、次の成功につながることを期待したいですね。

 

JAXAの続報が出るまで冷静に見守りたい

現時点では、みちびき5号と第2段エンジンの正確な軌道や最終的な状況について、公式な確定情報は出ていません。

今後、追跡データの整理や調査結果が公表されることで、より詳しい全体像が明らかになるはずです。

 

残念なニュースではありますが、H3ロケットは日本の将来を担う重要な存在

次の打ち上げに向けて、静かに、そして前向きに続報を待ちたいところです。

今日もありがとうございました!

 

 

★追記:H3ロケット第2段は南米上空で大気圏に再突入(落下)したとみられる

アメリカ・ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのジョナサン・マクドウェル博士の解析によりますと、H3ロケットの第2段とペイロードである「みちびき5号」は、

恐らく結合したまま地球を1周回したのち、南米上空(ブラジル・アルゼンチン・パラグアイの国境付近)で大気圏に再突入したであろうとのことです。

(第2段と衛星が分離していたとしても、どちらも推進力無しで慣性飛行していただけですから、ほぼ同じ軌道を辿ったと思われます)

 

再突入後の状況はわかっていませんが、被害報告などもないことから、再突入時の上空で燃え尽きたか、燃え残っていたとしても、南大西洋に落下したのではないでしょうか。

 

H3ロケット第2段大気圏再突入軌道:broom予想 on Googleマップ

 

マクドウェル博士によると、大気圏に落ちる前の速度は時速約2万7000キロ・メートルと算出されており、地球周回の維持に必要な時速約2万8000キロ・メートルを下回っていたであろうとのことです。

 

JAXAでは今回の状況について、引き続き原因究明を行なっていますが、現時点では衛星を保護するロケット先端のフェアリング分離時に、想定外の衝撃が観測されていたことが分かっています。

今後の更なる調査、原因究明が待たれるところですね。

頑張って欲しいです!

 

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