今回の『林修の今知りたいでしょ!』は卵(たまご)の話!

昭和の時代から長らく信じられてきた「たまごは1日1個」「たまごはコレステロールが溜まる」という話は、実は勘違いや研究の考察不足などからきた俗説のようなものだそうです。
現代では、健康な成人であればたまご1日3〜5個、あるいは制限は必要ないという話まであります。
もちろんまだ小さい〜学童のお子さんやたまごアレルギーが心配な方などは、専門の医師に相談した方が良いと思います。
というわけで、今日はこの「たまごは1日1個まで」は嘘?
たまごは1日に何個でも食べても良いの?その理由は? というあたりについて見ていきたいと思います。
良かったら最後までお付き合いくださいね!
たまごは1日1個と言われていたのはなぜ? 昭和時代の勘違い?
昭和の常識「たまごは1日1個」
僕も昭和の生まれですから、これは普通に言われていました。『たまごは1日1個』と。
なのであの映画「ロッキー」で主人公の「ロッキー・バルボア」(シルベスター・スタローン)が
劇中で生卵を何個もコップに割り入れてゴキュゴキュ飲むあの場面、
「これ身体に悪いだろ?」とか言われていましたよね(笑)
この「たまごは1日1個」説は、血中コレステロールが上がるから、という理由なんですが、
そもそもこの根拠がいただけないとうか…
ロシアでのたまご実験
1913年のロシア(ソビエト連邦になる前のロシア帝国の時代ですね)で、うさぎにたまごを与えてコレステロールの影響を見るという実験が行われたそうです。
結果、たまごを与えたうさぎの血中コレステロールが上昇したというんですね。
この結果をもって「たまごは血中コレステロールを上昇させる」という認識が広まったそうです。
ところがこれ、うさぎって草食動物ですから、普段たまごとかタンパク質は摂取しないんですよね。
そんな草食動物がタンパク質の豊富なたまごなんか食べた日にゃ、そりゃコレステロール上がりますわ、って話なんです。
人間は雑食なので、バランスよく野菜のビタミン・食物繊維や肉やたまごの脂質・タンパク質などなど摂らないとイケナイことは皆さんご存知ですよね?
ですので、このロシアでのウサギにたまごを与える実験をそのまま人間に当てはめること自体がナンセンスというわけですが…
この話(たまご=コレステロール)がそのまんま昭和の時代までほぼ、信じられてきた、という訳なんですね(笑)
たまごは1日に何個食べても良くなった理由は?
では、たまごは1日に何個までOKなの?という話です。
その後のたまご1日何個?研究の成果
日本では1970年代〜80年代に、「健康な成人に、1日5~10個のたまごを5日連続で食べさせる」という研究が行われたそうです。
結果、毎日10個のたまごを摂取した人でも、血中コレステロールの値は大きく変化しないことがわかったそうです。
さらにその後、1日3個のたまごを2週間食べ続ける、という実験も行われたそうですが、
こちらの場合も血中コレステロールに特段に変化は無かった、ということです。
というような、たまごの摂取量と血中コレステロールの因果関係は無いようだという研究・実験結果から、2015年アメリカでコレステロールの摂取基準が撤廃されました。
さらに日本でも、『「日本人の食事摂取基準」2015年版(厚生労働省)』から、コレステロールの摂取上限は設けないということになりました。
ということで健康な成人であれば、コレステロールを気にして1日に食べるたまごの個数を制限する必要はなく、様々な食材をバランスよく食べることの方が大事だということになったんですね!
たまごをたくさん食べても血中コレステロール値が変化しない理由とは?
1日にに食べて良いたまごの個数に制限が無くなったのは良いことですが、なぜ?と思いますよね?
たまごにはコレステロールが多く含まれていることは事実ですから…
つまり、食べ物に含まれているコレステロールの量と、血中コレステロールの値とは別の話なんだということなんです。
コレステロールはそもそも、血液と共に運ばれ、細胞膜の成分や各種ホルモン、胆汁酸などの原料となって、人間の生命維持に必要な役割を担っています。
その身体の各所に運ぶ役割のコレステロールが血管に溜まってしまうと「悪玉コレステロール(LDL)」と呼ばれ(動脈硬化の原因となります)、
それを回収してくるコレステロールが「善玉コレステロール(HDL)」と呼ばれているものですね。
これらのコレステロールどこから来るのか?というと、体内で必要な分の70〜80%を肝臓で作り、残りの20〜30%を食べ物から吸収する、という仕組みになっているそうです。

コレステロールの合成と吸収:みやけ内科・循環器科HPより
つまりいくらコレステロールを含む食べ物を摂取しても、血中コレステロールの値は変わらない、という事なんですね。
身体ってスバラシイ! …というか肝臓を大事にしましょう!という感じですね(笑)
こどもは1日に何個までたまご食べて良い?
というわけで、健康な成人であれば、たまごを1日に何個食べても大丈夫!ということなんですが、子供はどうなの?という疑問も湧きますよね?
上で書いたとおり、たまごによるコレステロールに関わらず血中コレステロール値をコントロールするのは肝臓なわけですから、肝機能がまだ未熟な子供は注意が必要です。
乳児の場合
- 離乳食初期(5〜6ヶ月頃):固ゆでした卵黄を「耳かき1杯程度」から始め、慣れてきたら少しずつ増やしていく。
- 離乳食中期(7〜8ヶ月頃):卵黄1個〜全卵1/3個を1回あたりの目安とする。
- 離乳食後期(9〜11ヶ月頃):全卵1/2個を目標にする。
- 離乳食完了期(12〜18ヶ月頃):全卵1/2〜2/3個を1回あたりの目安とする。
注意点としては、火を通したものから始める、アレルギーの心配もあるので、最初はごく少量から始めて2、3日様子を見る、などが必要ですね
幼児〜学童の場合
1歳をすぎてアレルギーなど無い場合であれば、たまごは1日に半分〜1個、あるいは2日で1個程度が妥当な量ということです。
学童(小学生)レベルになったら、1日1個〜2個が目安になるという事ですね。
僕は小学生のころ、卵かけご飯が好きだったのですが、食べると体が痒くなるという、軽いアレルギーのようなものがありました。
年齢が上がるにつれて、この生たまごのアレルギー?はいつの間にか無くなりましたね(笑)
たまごは1日に何個まで?まとめ
というわけで、たまごは1日に何個食べて良いの?について見てきましたが、いかがだったでしょうか?
- たまごは1日1個と言われていたのはなぜ?昭和時代の勘違い?:ロシアでのウサギにたまごを食べさせるという実験から「たまご=コレステロール」という図式ができて、そこからたまごは1日1個が流布されてしまったという、なんとも笑えない話ですね。
- たまごは1日に何個食べても良くなった理由は?:たまごを多量に食べさせて様子を見るという実験で血中コレステロール値が変わらないという結果と、肝臓によるコレステロール値のコントロール機能が明らかになったおかげですね。
- こどもは1日に何個までたまご食べて良い?:小さい内は火をとおしてごく少量から、小学生で1日1個〜2個が目安となりそうです。もちろんアレルギーの様子を見ることが大事ですね!
たまごの個数を気にしなくても良いというのは嬉しいですよね!
美味しいオムレツやオムライスのお店とか、一皿でたまご3つとか使っていたりしますし(笑)
さらに「今知りたいでしょ!」の番組の中では、更なるたまごの新事実!や、
『脳・血管・筋肉に良いたまごの個数』、
『免疫低下、動脈硬化、肌トラブルなど、気になる症状別に最もいいたまごの食べ方』なども教えてくれそうです!
これは是非見ないとですね!
林修先生、応援していますよ!
今日もありがとうございました!


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