
「え、今のでその点数?」
スノーボードの大会を見ていて、思わずテレビにツッコミを入れたくなること、ありますよね。
意外とこれ、僕らだけじゃないんです。
米放送局NBCスポーツの解説者で、スノーボード界の重鎮として知られる
トッド・リチャーズ氏も、まったく同じ反応をしていたんですね。
ミラノ・コルティナ冬季五輪、日本代表・村瀬心椛選手が銅メダルに終わったスロープスタイルで、
「得点が低すぎる」
と激怒したことで話題になったトッド・リチャーズ氏。
そもそもこの人、何者なのでしょうか?
というわけで今日は、トッド・リチャーズとは何者?という視点で、
経歴・戦績・プロフィール・語り部としての活動まで、丁寧にご紹介していこうと思います。
良かったら最後までお付き合いくださいね!
トッド・リチャーズとは何者?

NBCスポーツのトッド・リチャーズ:NBC Sports公式サイトより
スノーボード界の『生きるレジェンド』
トッド・リチャーズは、アメリカ・マサチューセッツ州出身の元プロスノーボーダー。
単なる「元選手が解説している人」ではなく、スノーボードという競技と文化の両方を作ってきた当事者です。
1990年代、スノーボードがまだ「型破りな遊び」だった時代から最前線で活躍し、
競技化・五輪種目化の流れを、まさに現場で体験してきた人物でもあります。
基本プロフィール
- 本名:Brandt Todd Richards
- 生年月日:1969年12月28日
- 出身地:アメリカ・マサチューセッツ州パクストン
- 身長:約178cm
- 元競技:スノーボード(ハーフパイプ/ビッグエアなど)
- 現在:NBCスポーツ スノーボード解説者
現在は家族とともにアメリカ国内で生活しながら、
テレビ解説、執筆、映像制作など幅広く活動しています。
トッド・リチャーズの経歴と戦績

ハーフパイプを滑るトッド・リチャーズ:surfer.comより
経歴がそのままスノーボードの歴史
トッド・リチャーズのキャリアを語るうえで欠かせないのが、
「スタイル」と「創造性」を競技に持ち込んだ存在だったという点です。
当時はスピードや高さが重視されがちだった中で、
スケートボード由来の動きや流れを取り入れ、
「見てカッコいいスノーボード」
を体現していました。
これは単なる技術革新ではなく、
スノーボード文化そのものの価値観を押し広げた功績。
まさにトッド・リチャーズはスノーボードの黎明期を駆け抜けた男、なんですね。
トッド・リチャーズの戦績
- U.S.オープン ハーフパイプ 優勝(1994年・1997年)
- 初代 Winter X Games(1997年)ハーフパイプ 優勝
- 1998年 長野オリンピック 男子ハーフパイプ 米国代表(16位)
- 2000年 X Gamesでダブルメダル
- 2001年 Big Air / Slopestyleで銀 & 世界選手権1位
1998年の長野冬季五輪はスノーボードが初めてオリンピック種目となった大会。
この大会でトッド・リチャーズはアメリカ代表となっています。
注目すべきは、ハーフパイプだけでなく、ビッグエアやスロープスタイルでも結果を残している点です。
競技を横断的に理解しているからこそ、解説にも説得力がありますよね。
語り部としての活動|“解説者”を超えた存在

ハーフパイプで美しい技を決めるトッド・リチャーズ:quiksilver.comより
引退後、トッド・リチャーズはNBCスポーツの解説者として活躍。
2006年トリノ五輪以降、複数回にわたりオリンピック中継を担当しています。
彼の解説は、
「技の名前を説明する」だけでは終わりません。
- なぜその滑りが美しいのか
- 選手がどんな覚悟で挑んでいるのか
- 採点基準が競技にどう影響しているのか
こうした競技の裏側や思想まで語る姿勢から、
「スノーボードの語り部」と呼ばれることも少なくありません。
さらに、
- 自伝的著書『P3: Pipes, Parks and Powder』の出版(スノボの黎明期と自らの成長を描いた一冊)
- 2009年ドキュメンタリー『Me, Myself and I』の被写体
- ドキュメンタリー作品への出演 / 映画『Out Cold』への参加
などなど、カルチャー面での発信も続けています。
なぜ激怒?|北京五輪・平野歩夢選手へのコメント

トッド・リチャーズ:quiksilver.comより
トッド・リチャーズが採点に強く異議を唱えた最初の大きな出来事が、
2022年の北京オリンピックでした。
男子ハーフパイプ決勝で、
日本代表の平野歩夢選手が史上最高難度の滑りをノーミスで成功させたにもかかわらず、
2本目の得点が低く抑えられた瞬間です。
トッド・リチャーズは放送中、
「信じられない」
「ジャッジは信頼性を粉々に破壊した」
「これは茶番だ!」
と率直にコメント。
解説者としては異例とも言えるほど、強い言葉でした。
このジャッジに怒りを覚えたのは平野歩夢選手も同様でした。
平野歩夢選手はこの怒りを競技へのエネルギーに換え、3本目はさらに高く、
そして再度ノーミスで滑り切り、見事逆転で念願の金メダルを掴み取りました。
再び激怒|村瀬心椛選手の判定をめぐって

1998年長野冬季五輪HPでのトッド・リチャーズ:trevorgravesインスタグラムより
そして今回、話題になったのが村瀬心椛選手への採点です。
金メダル獲得の深田茉莉選手のランも素晴らしいものでしたが、
村瀬心椛選手の方が完成度が高かったとトッド・リチャーズは主張します。
「過去最悪のジャッジ」
「(村瀬心椛選手の方が)金メダルに値する滑りだった」
「競技の発展を阻害する、クソみたいな判定だった」
と、再び激怒とも言える強い批判を展開しました。
トッド・リチャーズが怒る理由|個人的な考察

長野冬季五輪でのトッド・リチャーズ:Telegram.comより
トッド・リチャーズの発言を見ていて感じるのは、
これは単なる感情論ではない、ということです。
もちろんトッド・リチャーズは、深田茉莉選手のランが劣ってたと言いたい訳では無いはずです。
全体の組み立て、流れ、創造性に於いて村瀬心椛選手の方が勝っていたと映ったのでしょう。
トッド・リチャーズは、
回転数だけで評価される前のスノーボードを知っています。
流れ、スタイル、創造性。
それらが正当に評価されてきた時代を体験し、
その価値観で勝ち上がってきた人だからこそ、
「点数が競技の本質を置き去りにしている」
そう感じた瞬間に、黙っていられないのだと思うんですよね。
彼自身がスノーボード文化の変遷を見届けてきた人物であり、
今の採点基準に疑問を感じ、声を上げていると考えると、
その激しさも“単なる熱さ”以上のものとして受け取ることがでる気がします。
まとめ|トッド・リチャーズは“うるさい解説者”ではない

アイスホッケーチーム「ミネソタ・ワイルド」のコーチ時代(2011年)のトッド・リチャーズ:MPR NEWSより
トッド・リチャーズは、
- トップ選手として結果を残し
- 競技の進化を体験し
- 今も最前線でスノーボードを見続けている
そんな人物です。
だからこそ、平野歩夢選手の時も、村瀬心椛選手の時も、
同じように怒った。
それは一貫した姿勢であり、
スノーボードという競技への深い愛情そのものだと感じます。
次に彼がまた声を荒げるとしたら――
それはきっと、競技の“核心”が揺らいだ瞬間なのかもしれません。
スノーボードの発展とともに、トッド・リチャーズの発言も追いかけていきたいですね。
今日もありがとうございました!


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