今回の『ガイアの夜明け』は、以前アサヒビール研究員として出演したことのある小原聡(おはらさとし)さんが再登場です!
現在の小原聡さんはなんと、東京大学先端科学技術研究所(先端研)特任教授として、アサヒビール時代に関わったバイオエタノールの研究から、現在はさらに広いバイオ燃料という分野の研究をしています。
そんな小原聡さん、今回は種子島に降り立ちます!
その目的はJAXAの種子島宇宙センター?? JAXAの基幹ロケット『H3』はバイオ燃料で飛ぶのか?
…というわけでは多分ないですね(笑)
小原聡さんが種子島に来たのは、種子島産サトウキビを使ったバイオ燃料の実証試験のためなんだと思います。
というわけで、小原聡さんの経歴をおさらいした後に、小原聡さんは種子島で何をするのか?
JAXAの沖縄宇宙通信所の実証試験とは? について見ていきたいと思います!
良かったら最後までお付き合いくださいね!
小原聡のWiki的プロフィール(経歴)
では最初に小原聡さんの東京大学卒業以降の経歴を見てみましょう。
(残念ながら高校以前の経歴は見つけられませんでした…)
- 出身地:大分県
- 生年:1972年
- 1997年 3月 東京大学工学部化学生命工学科 卒業
- 1999年 3月 東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻修士課程 修了
- 1999年 4月 アサヒビール(株)生産技術研究所 研究員
- 2012年 4月 アサヒグループホールディングス(株)バイオエタノール 技術開発部長
- 2013年 3月 東京大学 博士(工学)取得
- 2016年 4月 アサヒグループホールディングス(株)経営企画部門 砂糖・バイオエタノール 事業化担当部長
- 2019年 4月 アサヒクオリティアンドイノベーションズ(株)プロセス開発研究所 プロジェクトリーダー
- 2019年 7月 東京大学先端科学技術研究センター 特任准教授
- 2021年 4月 東京大学未来ビジョン研究センター 特任准教授
- 2024年 4月 東京大学先端科学技術研究センター 特任教授
「バイオエタノール」とは、とうもろこしやサトウキビなどの植物(バイオ(bio))を原料として製造されるアルコール(エタノール)のことですね。
小原聡さんは、「アサヒビールというアルコールの会社に入ったのだから、アルコールで社会に貢献しよう」とバイオエタノールの研究を始めたと言います。
とは言っても、小原聡さんが研究していた「バイオエタノール」という「アルコール」は、お酒として人が飲むものではなく、
自動車などの内燃機関(エンジンなど)の燃料として利用されるアルコールの事ですね!
そして小原聡さんがアサヒビールから東京大学に戻った理由は、アサヒビールがバイオエタノールの研究を中止してしまったからだとか…
現在バイオエタノールの生産を続けているのは主にENEOSや出光などの石油会社がメインで、
アサヒ・サッポロ・キリンなどのバイオエタノール分野に進出していた主要ビール会社は、現在、中止・撤退という発表は見ないものの、「製造してます!」とも言ってないですよね…
ビール(食品系)の会社が継続するには、規模的に採算が取れにくいのかも知れませんね…
小原聡は種子島産サトウキビで何を?バイオ燃料?
さて小原聡さん、「ガイアの夜明け」の予告動画で、種子島でJAXAのH3ロケット打上げ射点を見下ろす映像がありましたが、
H3ロケットはバイオ燃料で飛ぶんでしょうか?
JAXAのロケットはバイオ燃料で飛ぶのか!?
ちょっと調べてみたところ、現在のH3ロケットに関しては液体酸素と液体水素を燃料としていて、
それをバイオ燃料に変える予定は無さそうですね(笑)

実験を見守る小原聡:ガイアの夜明け公式サイトより
(この画像で小原聡さんが被っているH3の帽子が紛らわしいですが(笑))
ではロケットにバイオ燃料を適応させる研究はしていないのか?というとそんなことはなく、
SRP(Sustainable Rocket Propellant:持続可能ロケット燃料)という植物由来の環境に優しい燃料がJAXA(宇宙研)において研究されています。
航空燃料としてはすでにSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能航空燃料)という、
植物原料由来の燃料の導入が世界的に進められていていますが、
ロケット用燃料についてはまだ研究例がなく、JAXAのSRPが実用化されれば世界初となるそうです!
小原聡は種子島産サトウキビからバイオ燃料を造る!
小原聡さんはアサヒビール時代、アルコール(と同時に砂糖も)の生産効率を高めるために、サトウキビの品種改良もしているんですね。
これが糖を多く含んでいてたくさん収穫できる「高バイオマス量サトウキビ」。
この高バイオマス量サトウキビを栽培しているのが種子島なんだとか。
さらにこの種子島では、日本で唯一サトウキビと杉の両方が調達可能という地の利を生かしてバイオディーゼル燃料を製造し、実証試験を行う「バイオマス燃料製造・実証試験設備」を設置する計画が進められています。
きっと小原聡さんが、この種子島の「バイオマス燃料研究開発施設」での実験する様子などが、
「ガイアの夜明け」の番組内でみられるのではないか?と思います。
小原聡が沖縄のJAXA施設で実証実験!
そして小原聡さんは沖縄のJAXA沖縄宇宙通信所で実証実験を行います!
これは、東京大学が代表機関を務める科学技術振興機構・共創の場形成支援プログラム(JST・COI-NEXT)「ビヨンド・“ゼロカーボン”を目指す“Co-JUNKAN”プラットフォーム」の中の、
「食品生産と生態系保全を強化するGX技術の実証・社会実装」という副プロジェクトで小原聡さんがリーダーを務めているものです。
種子島でのバイオ燃料製造の研究をとおして、さらに小原聡さんの研究グループはJAXAの沖縄宇宙通信所(沖縄県国頭郡恩納村)にて、
種子島産のバイオマスから製造した新規バイオ燃料をディーゼルエンジンで燃焼し発電する実証試験を行い成功させました!
この小原聡さんの実証実験成功の様子が、今回の「ガイアの夜明け」の番組の中で見られるのではないかと思います。
このプラント規模での実証実験を繰り返し、小原聡さんのチームは温室効果ガス排出削減と地域産業の活性化とを両立させる『持続可能なシステムの構築』に取り組んでいくのだろうと思います!
小原聡のバイオ燃料まとめ
というわけで、小原聡さんのバイオ燃料に対する情熱、いかがだったでしょうか?
- 小原聡のWiki的プロフィール(経歴):小原聡さん、東大大学院からアサヒビールの研究所でバイオ燃料の研究、学位取得後にアサヒビールでの研究ができなくなると東大に戻ってまた研究。バイオ燃料に対するものすごい熱量ですよね!
- 小原聡は種子島産サトウキビで何をするのか?:高バイオマス量サトウキビは種子島産。小原聡さん、このサトウキビを使って種子島のバイオマス燃料研究開発施設で実験を繰り返します。
- 小原聡が沖縄のJAXA施設で実証実験!:小原聡さんはさらにJAXAの沖縄宇宙通信所でバイオ燃料を用いたディーゼルエンジンでの発電の実証実験を行い成功させました!
小原聡さん、1999年にアサヒビールに入社して26年。
「20年目の逆襲」とサブタイトルにあるとおり、バイオ燃料の研究に20年越しで関わってきたのだと思います。
その小原聡さんの夢が、ようやくスタート地点に立ったところなんでしょう。
これからの小原聡さんのますますの躍進を見てみたいですね!
応援しています!
今日もありがとうございました!
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